本日もチャートチェックを進めます。
前回記事で2014/9/22付シングルランキングの4位までをチェックしましたので、本日は5位以降をチェックしていきます。
この週はアイドル勢の作品が上位を占拠。
イベント商法が過激化していることがよくわかる週になっています。
では、さっそく…
2014/9/22付オリコンウィークリーシングルランキング、第5位はこの曲!
第5位 証明ティンエイジャー -夢みるアドレセンス
5人組女性アイドルグループ、夢みるアドレセンスの4作目のシングルが初登場で5位にランクイン。
これで2作連続のTOP10入り。
5位は自己最高位となる。
初動売上は1.9万枚。前作「マワルセカイ」の初動1.3万枚から上昇。
リリース形態は一般流通で【CDのみ】が6種類。
特殊販路商品の【HP限定盤】が1種あって、合計7種リリース。
前作と売り方は同じ。
初の全国流通シングルとなった前作から7種リリースをスタートして、一気に数字を上げたが、今回はさらに上昇。
上昇の要因はイベント商法にあると思われる。
リリース前には「予約取り」イベントを開催し、CDの予約枚数に応じて、「握手会」(1枚)→「2ショットチェキ会」(3枚)→「ミニかまちょタイム(おしゃべり会)」(6枚)とグレードが上がる仕組みを導入。
オフィシャルに、思いっきり6枚購入を促進している。
また、リリース集にはリリース記念イベントを開催。
一般流通盤6種に封入されている「イベント参加券」の枚数によって、こちらもイベントのグレードがあがる仕組みを導入。
1枚で「握手会」、3枚で「2ショットチェキ会」、6枚で、メンバー全員と撮影会&参加メンバー全員のサイン。
こちらも、6枚購入を促進しており、固定ファンは大量購入を強いられるかたちになっている。
ほとんどのファンが、メンバーとおしゃべりして、撮影して、サインもらうために最低12枚は購入しているのかもしれない。大量購入促進商法。
なお、「予約取り」でかなりの売上を稼いだようで、デイリー初日にはデイリー1位まで獲得していた。
サウンドスキャンでは、1種もTOP20内にランクインできず。
7種に売上が分散してしまったものと思われる。
第6位 本当の恋 -May J.
女性シンガー、May J.の6作目のシングルが初登場で6位にランクイン。
これまでのシングル最高位は、前作「Rewind」(2012年10月)で記録した30位で、TOP10入りはこれが初となる。
初動売上は1.6万枚。前作「Rewind」の初動0.2万枚から8倍となる大幅上昇。
「レット・イット・ゴー」のカバーでメディアに出まくった効果は大きかったようで、大きく数字を伸ばしてきた。
また、ドラマ「同窓生~人は、三度、恋をする~」タイアップがついており、この効果も多少あったか。
リリース形態は【CD+DVD】、【CDのみ】で2種リリース。
CDの内容は統一なので、1枚買えば事足りる仕様。
06年のデビュー以来、「Garden」など単発でのヒットはあっても固定ファンがほとんど付かなかった。
今回の「アナ雪」効果はどこまで続くだろうか、また、少しでも固定ファンを残すことができるだろうか。注目したいところだ。
サウンドスキャンでは、【CD+DVD】が0.8万枚でランクイン。
オリコンの半分程度になっており、乖離が大きい。
エイベックス系なので、ECサイト(mu-moショップ)での売上がある程度あるためと思われる。
第7位 REBORN -PrizmaX
スターダスト所属の男性5人組グループ、PrizmaX(プリズマックス)の4作目のシングルが初登場で7位にランクイン。
これが自身初のTOP10入りとなる。
初動売上は1.5万枚。前作「take me」の初動0.5万枚から3倍となる大幅上昇。
ももクロがブレイクしてから、同じスターダスト所属の妹分グループがブレイクし始めて、男性グループにもその勢いが波及。
先にスターダストの男性グループでは、超特急、DISH//が上位入りを果たしていたが、それに続く、TOP10入りとなった。
リリース形態はすべて【CDのみ】で3種リリース。
3種すべて収録曲が異なっているため、3種買い促進の複数買い促進商法となっている。
今後もチャート上位の常連になっていけるか注目である。
サウンドスキャンでは3形態がそれぞれ0.6万枚、0.6万枚、0.5万枚で1.7万枚。
オリコンとの乖離は小さめで、オリコンの数字を上回る珍しい結果になっている。
以下、ピックアップ。
第8位 ビ・ビ・ビ・ビューティー!!! -CLEAR'S
お掃除ユニット・CLEAR'S のメジャーデビューシングルが初登場で8位にランクイン。
メジャーデビュー作からいきなりのTOP10入り。
初動売上は1.5万枚。
メンバー全員が掃除能力検定士の資格を持っており、東京・名古屋・川越など全国でフランチャイズ展開している、異色のアイドルユニットとなっている。
アイドルユニットも数がかなり増えてきて、差別化を図ろうとする動きが著しい。
リリース形態はすべて【CDのみ】で4種リリース。
4種すべてカップリング曲が異なっているため、4種買い促進の複数買い促進商法。
また、うち3種は東京盤、名古屋盤、川越盤とされており、それぞれタイトル曲をその拠点のメンバーだけで歌ったバージョンも収録されている。
AKBグループとは違う尺度で、地域との連携を固める方向性となっている。
なお、ECサイト「キャラアニ.com」では限定特典が付与された様子。
イベント商法ももちろん活発で、リリース前には「予約取り」イベントを開催。
CDを1枚予約で「特典券」が1枚付与され、1枚で「個別握手会」か「2ショットチェキ会」に参加。
「特典券」2枚で、「2ショットチェキ会(サイン&コメント)」に参加できる。
5位の夢みるアドレセンスと同じように、予約(購入)枚数によってイベントのグレードがあがる仕組みになっており、大量購入促進商法だといえる。
「アイドル=ファンに大量にCDを買わせる」というマイナスなイメージも蔓延する中、「街を掃除する」というプラスなイメージがどこまで通用していくのか、注目したいところ。
サウンドスキャンでは1種もTOP20内にランクインできていない。
オリコンとの乖離は4種に売上が分散したこと、また特典が付いていた「キャラアニ」での購入が多かったためと思われる。
以下、ピックアップ。
第10位 CHANGE!!/心配症な彼女 -DAIGO
DAIGOのソロ名義では3作目のシングルが初登場で10位にランクイン。
これで3作連続のTOP10入りとなる。
初動売上は1.4万枚。前作「BUTTERFLY/いま逢いたくて…」の初動1.6万枚からダウン。
前々作が初動1.8万枚だったので、これで2作連続の初動ダウン。
リリース形態は【CD+DVD】が2種と【CDのみ】が1種で計3種リリース。
DVDの内容が異なり、【CDのみ】にだけ新曲を追加しているので、3種買い促進の複数買い促進商法。
前作までと商法は変わらず。
今回もイベント商法は活発。
上の女性アイドルグループらと同じように、購入枚数によってイベントのグレードが変わる仕組みを導入。
CD1枚で「握手会」、2枚で「サイン渡し会」、3枚で「2ショット写メ会」となっている。
※official HPより
握手も、サインも、2ショット撮影もしたいファンは6枚買わなくてはならない大量購入促進商法。
ただ、数字は下がってしまっているので、付いてこれていないファンも多くいるのだろう。
サウンドスキャンでは【CDのみ】と【CD+DVD】のうち1種が0.5万枚ずつでランクインして計1.0万枚。
もう1種の【CD+DVD】もTOP20外にランクインしていると想定するとオリコンとの乖離は小さい。
ただ、売上は3種にきれいに分散しており、3枚セット購入しているファンが多いことが読み取れる。
この週はランクインしたアイドル系作品の多くで、購入枚数によってイベントのグレードが変わる仕組みが見られた。
数年前からやっているアイドルはいたが、ここにきて、過激度が増している。
今後も固定ファンに大量購入を促す手法として増えると思われ、どこまで過激化していくの注目である。
~Today's Yasai Reccomends~

水色の風 (from『静脈』) by Syrup16g
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